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仮面ライダークウガ EPISODE12「恩師」

 

ストーリーガイド

ズ・ザイン・ダの強烈なパワーの前に

空中に投げ飛ばされ、その角の餌食となりかけたクウガだが

間一髪角を掴んで回避する。

猛突進を仕掛けるズ・ザイン・ダに

カウンターで必殺のキックを仕掛けるも

敵は再び立ち上がってくる。

 

その時、対峙する二人の間に

超スピードで割り込む影。ピラニアの怪人、メ・ビラン・ギであった。

メ・ビラン・ギは、ズ・ザイン・ダが

ゲゲルを勝手に実行しているのを制止に来たのであった。

素早い動きで、ズ・ザイン・ダを翻弄するメ・ビラン・ギ。

やがて、二人は組み合いながら川へ転落。

かろうじてクウガは危機を逃れたのだった。

 

その頃、五代と先生が会う約束の場所

立早小学校へ向かうバスを待っていた桜子は

同じくバスを待ってベンチに座っていた人物が

五代の恩師、神崎だと知る。

目的地へ向かうバスの中、神崎は

今日偶然メッセージ帳を発見して約束を思い出した事や

もし見つけていなければ

今日ここに来る事は無かった事などを告白する。

桜子は、フォローするように

それでも来るのは凄い、私なら来ないです、と言うが

神崎は静かに、願掛けをするには丁度良かったのだと答える。

 

目的のバス停に到着した二人は、立早小学校を目指すが

校門は封鎖されていた。

取り壊しが決定し、あとは工事を待つだけとなっていたのだ。

「私が信じていたものは、どうやら消えていく運命のようです」

そう言って帰ろうとする神崎に

桜子は、門を乗り越えて中で待っていようと提案する。

五代は必ずくるはずだから、と。

 

戦いを終え、一条と別行動を取っていた五代は

ズ・ザイン・ダへ必殺のキックが効かなかった事で

新たな何かを考える必要があった。

思案の末、自身の107番目の技である、前方宙返りを応用して

更に勢いと破壊力の増したキックを生み出す事に成功する。

 

その頃一条は、杉田より連絡を受け

ズ・ザイン・ダがアイドリングしている大型車の乗員を狙って

殺人を繰り返している事を知り、周辺地域にその事を周知た上で

自らを囮とするため、トラックを手配する。

 

立早小学校では、当時の教室へと辿りついた神崎は

当時の思い出を語り始める。

昔の五代の人懐っこい笑顔、来るはずはないと思いながら

その笑顔に期待していたのかも知れない、と。

そして、現在の教育というものがわからなくなったと語り

五代に会えなければ教師を辞めるつもりだと告白する。

桜子は、五代が会うのを楽しみにしていた事や

先生を尊敬している事を伝える。

それに対し神崎は、自分の何処が良かったのか

それが知りたいと呟く。

 

同時刻、山間部の空き地にトラックを停めた一条が

アイドリングしながら、ズ・ザイン・ダの出現を待つ。

一条が仔細を無線で五代に連絡したその瞬間

トラックは激しい振動に襲われる。

目の前には、憤怒の形相をしたズ・ザイン・ダの姿があった。

ドアのガラスをぶち破り、運転席から

一条を引き摺りだそうとするズ・ザイン・ダ。

何とかそれを振り払って、トラックを発車させる一条。

 

立早小学校では、神崎と桜子の述懐が続く。

クウガとしての戦いをしているだろう五代の事を

今頃は、2000番目の技・・クウガへの変身・・で

頑張っていると思います、と語る桜子。

それを聞き、神崎は五代と交わした約束を思い出す。

2000年までに、2000の技を身につける・・

五代が約束を果たした事を知った神崎。

桜子は、その約束を守れたのは

みんなの笑顔のために頑張りたいと

いつも思ってきたからだ、と語る。

桜子は、これ知ってますか? とサムズアップをして見せる。

その仕草に、当時の記憶が蘇った神崎は思わず教壇に立つ。

 

古代ローマで、満足できる

 納得できる行動をしたものにだけ与えられる仕草だ」

 

当時、父を亡くしたばかりの五代に自らが贈った言葉。

 

「お前も、これに相応しい男になれ。

 お父さんが亡くなって、確かに悲しいだろう。

 でもそんな時こそ、お母さんや妹の笑顔のために

 頑張れる男になれ。

 いつでも誰かの笑顔にために頑張れるって

 凄く素敵な事だと思わないか。

 先生は・・先生は、そう思う」

 

自らの言葉がその後の五代を形作ったのだと

気付いた神崎は、思わず涙する。

 

その頃、一条のトラックへと辿りついた五代は

そのドアへと喰らいつくズ・ザイン・ダを

トライチェイサー2000で跳ね飛ばし変身。

再びバイクごとの体当たりを敢行するが受け止められ

圧倒的なパワーで放り投げられる。

 

距離を置いて対峙する二人。

ズ・ザイン・ダの渾身の突撃と

前方宙返りを加えた新たなキックが激突。

顔面に必殺のキックを受けたズ・ザイン・ダは

唸り声を上げながら爆散する。

 

数時間後・・日も暮れすっかり夜となってしまった

立早小学校から、帰路に就くため神崎と桜子が出てくる。

そこへ、バイクで現れる五代。

 

二人は笑顔でサムズアップを交わすのだった。

 

 

EPISODE12感想

さて、今回はあまり語られてこなかった

五代くんの過去の一端が明らかとなる。

視聴者が見ていた五代雄介というものが

この時点から始まっていたんだという事がわかる

非常に重要なエピソードだ。

 

教師としての自信を失う神崎先生。

その失意はセリフに良くあらわれている。

 

「私はね、教育というものが、わからなくなったんです。

 上からは、子供たちにゆとりを与えろ、と言われる。

 親たちからは、成績をあげろ、と言われる。

 子供達は、別に未来に期待はない、と言う。

 だったら私は、子供達に何を与えたらいいのか。

 それとも、与えるものなんて無いのか。

 何の為に教師でいるのか、わからなくなりました」

 

だが、桜子さんから五代くんがいつも

みんなの笑顔のために頑張っているという話や

サムズアップを見せられて

自分の言葉が現在の五代くんを形作ったのだと知った時

教師としてやってきた意味があったと気付く・・

また、過去の自分の言葉が、五代雄介を通じて

現在の自分を励ますという構図も見事だ。

泣かない方がおかしい。

 

フィクションである事は承知の上だが

当時小学生、中学生ぐらいの子は

この話で何か感じ取ってくれるものがあっただろうか。

少し前だが、教壇で教師を蹴り飛ばすような動画が拡散されて

大炎上した事もあったが・・

教師も一人の人間である、という事がわかっていれば

そんな事にはならないと思うのだが。

 

特撮としての見所と言えば、やはり必殺技が破れるという衝撃。

そして新必殺技の特訓みたいな、特撮の文法をなぞっているのは

けっこう珍しい気がする。

そして、107番の技を応用して新必殺技を考える、と言ってるのだが

2000の技と順番を記憶してるとすれば、それだけで

一つの技になってしまいそう。凄まじい記憶力ではないだろうか。

しかし、オダギリジョーさんの身体能力も凄い。

ノースタントで前宙決めてるシーンもあるし。

 

そして、ラストシーン前、夕陽をバックに

変身を解かないまま、バイクで目的地へと走り出す

クウガが凄くカッコいいので良く見て欲しい。

 

ラストは再会した神崎先生と五代くんが

笑顔でサムズアップを交わすだけ。

そこにはセリフとか余計なものは一切無し。

余韻の残る素晴らしいラストだ。

 

今回の名セリフ

「いつでも誰かの笑顔にために頑張れるって

 凄く素敵な事だと思わないか」

 

神崎先生から五代くんへ贈られた言葉。

五代くんが「大かんどー!」するのも良くわかる。

そして先生もまた、忘れていた自分自身の言葉で

教師を続けようと奮い立つのだ。

力のある言葉だ。

 

怪人査定 サイ種怪人 ズ・ザイン・ダ

攻撃力   7

防御力   8

スピード  4

特殊能力  5

知性    2

ビジュアル 5

 

かなり初期から登場していたズ・ザイン・ダであるが

今回、暴走して勝手にゲゲルを開始。

以前から何度か描写されていたが

トラックのアイドリング音が気に障るらしく

大型車のドライバーを狙って殺人を繰り返す。

圧倒的なパワーと、マイティキックを耐える防御力。

そして、瞬時に傷を回復してしまう能力もある。

仲間であるメ・ビラン・ギと仲が悪く

小競り合いになるが、圧倒的なスピードにほとんど手が出なかった。

攻撃はパワー押しで単純だが、迫力が凄い。

人間体の役者がプロレスラーAKIRAという事もあってか

ショルダースルーやリフトアップスラムなど

プロレス技っぽいムーブも結構見せていた。

他のグロンギと比べても存在感が圧倒的だったので

早期の退場はちょっと残念だ。

 

今回は、グロンギ側に新しい人物が現れている。

何処かの裏路地で、バラのタトゥの女とズ・ゴオマ・グに

何かのカバンを渡している不気味な男、ヌ・ザジオ・レである。

警察に押収されたゲゲルのための腕輪やボードに

類するものを受け取っているようだ。

そして今回もカバンを勝手に開けようとして

シバかれるズ・ゴオマ・グ。

さすがにちょっと気の毒になってくる・・