ストーリーガイド
喫茶ポレポレに五代の妹、みのりが尋ねてきた。
今日が誕生日の兄を祝うためだったが
五代は、店の手伝いをみのりに押し付け
古代文字の解読結果を聞きに桜子の元へと出かけてしまう。
一方、警視庁合同捜査本部では
多発する未確認生命体の事件の対応策が練られていた。
調査に拠れば未確認生命体はアジトのような場所に潜伏している事や
その周辺の住民が騒ぎ出すと、何故か場所を移動してしまう事が判明。
警察犬ミカド号が、ようやく未確認生命体のフェロモンを嗅ぎ分け
追跡の準備が整ったとの報告がなされ、桜井刑事がその任務に着いた。
また科学捜査研究所によって、未確認生命体第6号が避けていた
工場の煙の成分が分析され、特殊なガス弾が作成された。
城南大学へ向かった五代は
そこで桜子の古代文字の解読結果を聞く。
まだ、詳細はわからないが、剣を持った
もう一つの戦士の姿がありそうだというのだ。
喫茶ポレポレで五代の代わりにウェイトレスを務めたみのりは
仕事の休憩時間、マスターが作った未確認生命体第4号
クウガの新聞記事を集めたスクラップブックを見せられる。
その記事の見出しに踊る、生物兵器、闘争本能、殺戮といった
キーワードが、みのりの不安を煽る。
その頃、台東区では新たなゲゲルに選ばれた未確認生命体が
一般市民にその牙を剥いていた。
未確認生命体第21号、イカの怪人、メ・ギイガ・ギである。
その口から吐き出す特殊な墨は
物質に付着した瞬間、激しい爆発を巻き起こす。
同じ頃、一度ポレポレへと戻った五代。
みのりから「もう戦うの平気になっちゃった?」と問われるが
その答えを返す前に、一条から未確認生命体が
出現したとの報せが入ってしまい、現場へ向かう事となった。
みのり去り行く五代に向かって
誕生日のお祝いをするから、早く帰って来て、と言葉をかける。
不安が解消しきれないみのりの足は
自分の勤めるわかば保育園に向かっていた。
そこで園児たちから未確認生命体第4号はいいやつなのか? と聞かれ
「そうだなぁ、いい人でいて欲しいよね。ずっと」と答える。
時を同じくして、科学捜査研究所の榎田ひかりは
息子の榎田冴(えのきださゆる)、そして自身の母親と共に
久々の休日を過ごしていた。
本当ならば、朝から遊ぶ予定だったのだが
昨晩分析が長引いた榎田は、科捜研に泊り込みになってしまったため
冴は不満気で、手も繋いでくれない有様だった。
なんとかアイスを買ってあげる約束で機嫌を直してもらったものの
通行人の噂話から、未確認生命体絡みの事件が近隣で起こった事を
聞いてしまい、冴を母に預けて現場へ向かってしまう。
殺人現場には、奇妙な緑色の灰が残されていた。
一方、一条から連絡をうけた五代は、現場周辺を探索。
貨物駅構内で、メ・ギイガ・ギが
新たな殺人を開始しようとする場面に遭遇する。
トライチェイサー2000による体当たりを敢行し
メ・ギイガ・ギを止めた五代は、即座に変身。
だが、メ・ギイガ・ギの放った墨を喰らい
肩のアーマーが焼け爛れる。
遠距離は不味いと見たクウガは
メ・ギイガ・ギに組み付き超接近戦を挑んだ。
EPISODE9感想
今回は五代の妹、みのりちゃんの心情にスポットが当てられる。
クウガを見ていて思うのは、未確認生命体の存在が
次第に社会に食い込んでいく事により
どういった変化が現れるかと言う事をかなり綿密に描いている。
新聞記事、ニュース速報、街の噂・・
日常の隣に潜む殺人鬼の存在はハッキリしているものの
今のところ人々は何処か他人事のようでもある。
それはあたかも我々が某国のミサイルに
今一つ危機感を抱けないのと似ているような気もする。
しかし、みのりちゃんの当事者具合は別格なのだ。
保育園で同僚が、未確認生命体4号と21号の
戦闘が行われているというニュース速報を見て
この辺は遠いから、大丈夫的な話をするのだが
その場に居合わせた、みのりちゃんとの温度差たるや・・。
また、今後もかなり尾を引く、榎田家の親子問題も今回が初出。
仕事熱心な母親、そしてシングルマザーが子供を
放っておかねばならない状況など、未確認生命体という異質な存在が
日常に与える影響を短いシーンながら見事に描いている。
どうしても重くなりがちなドラマを
ポレポレのマスターが緩和しているのも
一つの見所かも知れない。
クウガ=未確認生命体第4号という事実が
伝わっていないがためのボケ倒しは
この作品の一服の清涼剤・・というのは言い過ぎだろうか。
今回の名セリフ
「いい人でいて欲しいよね。ずっと」
保育園の園児から、第4号=クウガがいいやつなのか?
と尋ねられた返答として。
基本的には、兄への絶大な信頼があるみのりちゃんだが
さすがにこの異常事態には、不安を掻き立てられるのだろう。
おそらく物語の最初期なら、いい人だ、と言い切っていたと思う。
そしてこの先への不安を表す「ずっと」という言葉。
その信頼と不安が綯い交ぜになった心境を見事に表現しているセリフだ。
怪人査定
メの集団のゲゲル挑戦者、メ・ギイガ・ギが登場。
死亡はしていないので、詳しくは次回に譲ろう。
メ・ギイガ・ギはイカの怪人だが
人間体の時、三角帽子を被って頭が
イカっぽくなってるのが不気味でありながら何かカワイイ。
ちなみに未確認生命体のナンバリングだが
前回のメ・バヂス・バが第14号
今回のメ・ギイガ・ギは第21号となっている。
15~20号は、物語外で倒されている模様。
前回が合同捜査本部が結成されて、三週間経過
今回がみのりちゃんと五代くんの会話から
クウガになってから、二ヶ月ぐらい、という事がわかるので
前回からこの事件まで、一ヶ月程度経過していると推測できる。
今回、ズ・ゴオマ・グは、ゲゲルをやりたがっていたのに
腕輪を手にしようとしたが、バラのタトゥの女に取り上げられ
冷たい視線で睨まれている。
毎回いじめられるのか・・