ストーリーガイド
長野県、九郎ヶ岳遺跡付近から発掘された謎の金属の塊。
諏訪サービスエリアでトラックのコンテナを消失させた後
空の彼方へと消え去った。
この件に関して、警視庁で緊急会議が開かれていた。
この未確認飛行体は、各地で車や給水塔などの金属を
自身の身体に取り込みながら、東京を目指して飛行していると言うのだ。
飛行体の目撃情報を総括していた一条は
その目的地が東京の文京区、即ち五代の元へ向かっていると推測する。
そこへ現れた警視庁の女性警察官、笹山望見は
今日が誕生日の一条にプレゼントを渡そうとするが
悪いが受け取らない事にしている、と拒否されてしまう。
その時、間が悪く、未確認生命体出現の通報があり
一条は笹山を置いて出動してしまう。
笹山は受け取って貰えなかったプレゼントを捨てようとするが
そこに通りかかった榎田に止められる。
榎田は笹山に一条がプレゼントを受け取らない理由を説明する。
今日は一条の誕生日であると同時に、父親の命日だったのだ。
また、毎年この日は実家に戻り母親と会う日だというが
この状況では、今年は行かないだろうと告げられる。
同時期、一条から未確認生命体24号出現の報せを受けた五代は
トライチェイサーで出動するが、その時謎の飛行体が出現。
だが、しばらく併走すると、再び何処へともなく飛び去ってしまう。
三鷹市内、未確認生命体の仕業と思われる犯行現場には
破壊された数台のバイクと、血まみれのタイヤ痕があった。
そのタイヤ痕は被害者が何度も繰り返し轢かれた事を物語っていた。
トラックを使用したと思われる犯行は
いつもの手口とは異なっていたが
現場近くのコンビニ店員がトラックの運転手が
聞き慣れない言葉を喋っていた事と
タトゥーの存在が決め手となり未確認生命体の犯行と断定された。
その頃、一条の母親、一条民子(いちじょうたみこ)は
未確認の担当になった息子が今年は忙しく
会いに来られないと連絡を受け、非番であった予定を変更し
病院での勤務についていた。
しかし過労から、病院内で意識を失ってしまう。
一方東京では、再び未確認生命体の乗るトラックによる
被害者が続出していた。
ようやくナンバープレートから
トラックを特定したと連絡を受け
五代はクウガへと変身し、街を疾走する。
その時、トラックを追跡する五代の前に
謎の飛行体が姿を現し、分離変形、そして
トライチェイサー2000と合体し
馬の鎧、トライゴウラムとなった。
クウガの追跡に気付いた未確認生命体は
トライゴウラムに激突させようと
猛スピードでトラックをバックさせるが・・。
EPISODE15感想
今回はトライゴウラム爆誕
そして一条さんのバックボーンが明かされる。
更に、小さなテーマではあるものの
一条さんに憧れを抱く女性警察官、笹山望見の成長回でもある。
まずは、一条さんの誕生日は
父の命日でもある事が明かされる。
父もまた警察官であり、一条さんが10歳の時
川が増水し、取り残された人々を救助中に命を落としている。
その姿に憧れて、警察官を目指した一条さん。
一条さんの母親サイドからは
父親がいつも中途半端はするなと言っていたという話が出てくる。
彼の責任感の強さというのは親の教育で培ったものだったのだ。
しかし、何と言うか・・さすがに
プレゼントは受け取らないというのは
杓子定規すぎないか、と思わなくも無い。
こうやって何人女の子が泣いたんでしょうか?
それも一つ真面目な一条さんらしいと言えばらしいんですが。
そしてこうしたバックボーンを榎田さんから聞いた笹山も
この辺から、ただのミーハーっぽい雰囲気は鳴りを潜めて
真面目に仕事に打ち込む姿が見られる。
今回見て欲しいのは、警察の緊急会議が終わる時の一条さんの演技。
毎年実家へ戻る恒例行事が今年はできそうもないという逡巡と
覚悟を決めた決意の眼差しを見事に目だけで表現している。
カッコイイんだこれが。
そして、今回はバイクに乗った五代が変身して
街中を疾走するのだが、その時車に乗った人たちや
歩道にいる人たちが、「あ、四号だ!」みたいな感じで
ざわつくシーンが見られる。
この段階で、かなりの人間が
クウガを正義のヒーローとして認識しているのが分かる。
こうして子供が騒ぐシーンなどは
何となく昭和特撮を思わせる様で
クウガという番組としては、結構珍しい感じがする。
さて、今回もう一つ特筆すべきはクウガの戦闘シーンが全く無い事だ。
トライチェイサー2000とゴウラムの合体
街中を変身して疾走するクウガ、と特撮的見所はあるのだが
今回はクウガがパンチ一発放つ事無く終わる。
今回の敵役、メ・ギャリド・ギも一瞬だけ変身するものの
出演は僅か数秒で、大部分は人間体のままだ。
それでいて、物足りなさもそれほど感じないのは
クウガが人間ドラマを軸に据えているからこそだろう。
怪人査定
今回は、ヤドカリ種怪人、メ・ギャリド・ギが出ているが
死亡はしていないので詳しくは次回に譲ろう。
トラックを使用し、リントの言葉をされなりに操るなど
段々と人間の世界に慣れてきた様子のグロンギ族。
今回は怪人特有の能力ではなく、トラックをバックさせて
相手をひき殺すという陰惨なやり口でゲゲルを進行させる。
特に後半、狭い路地に女性三人を追い詰め
バックモニターで散々恐怖の表情を楽しんだあと
ひき殺すなど、とにかくやり口が生々しい。
普通のヒーロー番組なら、危機一髪のところで
クウガが助けに来る展開だろうが
そうは問屋が卸さないというところ。
今回はズ・ゴオマ・グもリントの言葉を喋るなど
成長を見せているが、クラクションにびびって
倒れ込んだところをメ・ギャリド・ギに
馬鹿にされるなど、酷い目にあっている模様。