ストーリーガイド
長野県九郎ヶ岳遺跡の発掘現場で謎の棺が発掘された。
遺跡の調査団は棺の中に古代の戦士のミイラを発見する。
時を同じくして、放浪の旅から日本へ帰国した
五代雄介(ごだいゆうすけ)は友人である
沢渡桜子(さわたりさくらこ)の研究室を訪れ
そこで遺跡の調査団に異変が起きたことを知り現場へ急行する。
遺跡の調査団は、封印された棺を解放した事により
蘇った謎の存在に、なす術もなく虐殺されてしまう。
被害現場を訪れた長野県警警部補、一条薫(いちじょうかおる)は
無関係にも関わらず遺跡へ入ろうとする五代と出会う。
警告を無視して何とか遺跡へ潜入しようと試みる五代とそれを阻止する一条。
その最中、現場から証拠品の一つとして運び出された謎のベルトを目撃した
五代は、過去の戦士の戦いの記憶を幻視する。
翌日長野県警前で、桜子と待ち合わせをしていた
五代は、偶然一条と再会する。
桜子が遺跡の調査団の関係者であると聞いていた一条は
県警内で調査団が残した記録映像の確認を依頼する。
映像には、謎の怪人による生々しい殺戮の様子が納められていた。
一条は映像内で、謎の怪人が、力を誇示するように
地面に叩きつけていたベルトの存在が気になると言って
その証拠品の調査を桜子に依頼した。
その時、謎の生物がビルに巨大な蜘蛛の巣を張っているとの
連絡が入り、一条はベルトを預けたままその場を後にする。
現場では、蜘蛛の様な怪人が到着した警察官を襲っていた。
拳銃はまるで役に立たず、次々と警官は殺害されていく。
恐怖した一人の警察官がパトカーで逃げ出すと
蜘蛛の糸を使って怪人は車を追跡。
警察官と怪人をのせたパトカーは
そのまま県警本部の玄関へと突っ込んでしまう。
ベルトを持ち帰ろうとしていた五代と桜子は
パトカーから現れた怪人から襲撃を受ける。
その時、再びベルトを見た五代は
古代の戦士の幻覚を見て、ベルトを装着すると
ベルトは五代の体内へと吸収されてしまった。
怪人からの攻撃に死を意識する五代。
怪人との戦いに望む覚悟を持って奮った拳が、身体が
次第に古代の戦士の姿へと変わっていく。
仮面ライダークウガの誕生である。
激闘を経て、県警の屋上に戦場を移した二人。
その時、ヘリに乗った一条が現れクウガを拳銃で援護するも
逆に蜘蛛の怪人にヘリに乗り込まれ、危機を迎える。
それを追ってヘリに乗り込んだクウガは
死闘の末に蜘蛛の怪人をヘリから突き落とす事に成功する。
俺を助けたのか、と混乱する一条に
サムズアップ(拳を握り、親指を立てて見せるゼスチャー)を見せ
ヘリから降下するクウガ。
その様子を見て、一条はまさか・・と言いながら
五代を思い出すのであった。
EPISODE1感想
これまでの仮面ライダー含め
特撮作品の常識を覆そうとしている努力が随所に見られる。
冒頭の遺跡のシーンなどは、セットを作るだけでも
かなりのお金がかかったのではないだろうか。
もちろん、時代や技術、予算の変遷もあるだろうが・・。
敵となるグロンギの怪人は、時には牧歌的雰囲気を漂わせる事もある
従来の怪人達とは違って、異質でありながらかなり人間に近い存在を
アクセサリーや衣服で表現しており存在感が凄まじい。
また一般人や警察に対する暴力描写も、容赦の無いもので
この辺も時に一般人に蹴散らされたりするお茶目な姿を晒す
愛すべき怪人たちが多い中、一線を画している。
主人公の魅力も一話目から爆発している。
冒頭空港付近で迷子になっている少年に、自分の遭難話を聞かせ
自信の持つ(この時点では)1999個の技の一つを見せて
少年の笑顔を取り戻すところなど、短いシーンで
五代雄介の優しさを見事に表現している。
お調子者で飄々としているが、やる時はやる、というキャラクターだ。
ベルトを装着して闘う意思を示す時も迷いがない。
また、今後五代と共にグロンギに立ち向かう一条警部補も魅力的だ。
真面目一徹、根本的には優しい人だが、己に厳しい人柄が
演技からにじみ出ている。
この一話の最後のシーン、ヘリコプター内で
一条さんの窮地を救ったクウガがサムズアップを見せた時に
「まさか・・」と呟き、クウガの正体を五代と感じ取るシーンがあるが
これ以前に、五代がサムズアップを見せたのは
遺跡に不法侵入しようとした五代に一条さんが足を引っ掛けて
転ばそうとしたあと、首根っこを掴んで地面に激突するのを
助けたシーンのみである。
凄い洞察力だと言わざるを得ない。
怪人査定
ここでは登場した怪人の実力などを書いていきたいが
全能力を見せた段階、即ち怪人が死亡した段階で
評価を書きたいと思う。
第一話でクウガと戦闘したズ・グムン・バはこの段階では
死亡していないので、査定は次回以降に回したいと思う。